粉体材料物性評価
保有技術一覧
基本物性 | 密度、粘度、熱的特性他 |
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粉体物性 | 安息角等、粒度分布、機械的強度、粉体抵抗、分散性、粘性他 |
細孔径・比表面積 | 比表面積、金属表面積、細孔分布、空隙率他 |
表面化学特性 (触媒物性、炭素材など) |
固体酸、塩基・酸化特性、表面官能基、物質吸着性、 親水性、疎水性評価他 |
特定材料の評価・試験 | 触媒、活性炭、石炭・コークス、バイオマス関連他 |
基本物性
粉体を構成する粒子の密度は物質の組成や純度に関する情報を与えてくれる為、粒子径や粒子形状と並び、粉体の物理的な特性を評価する際に重要である。また、その粒子を固液混合した際の流動特性を知るために粘度の測定は有効です。
密度
1.真密度
・湿式法(液浸法)
粒子の表面に液体を含浸させ、粒子により排除又は置換された液体の体積から粒子体積を求めます。
・ピクノメータ法(真空含浸法・煮沸含浸法)
・乾式法(気体置換法)
粉体を不活性な気体で置換しボイルの気体法則を応用した測定法
試料を溶解するおそれがない事から様々な試料に適応できます。
2.見かけ密度
*粒子内部の閉じた空孔のほか、割れ目も粒子の体積として測定した密度
【見かけ密度測定手法】
- 液中ひょう量法
- アルキメデス法
- 水銀圧入法
3.カサ密度
体積が既知な容器に充填した粉体の充填質量を容器の体積で除して求めます。
*細孔・内部の空隙・粒子と粒子間の空隙及び粒子と容器の間の空隙を含む密度
【カサ密度測定手順】
- タッピング法
- 振動法
- 粉体総合評価試験装置(ゆるみかさ密度・固めかさ密度)
- 水銀圧入法
粘度
・レオメーター
・B型粘度計
測定範囲
:15~2,000,000 mPa・s
粉体物性
粉体は微細な粒子の集合体であり、その特性や性質を各種測定方法で評価します。
安息角
ロートから円板に粉体を落下させた時に堆積する粉体の山の傾斜角(平面との角度)
安息角 小
=粉体の流動性が高い
安息角 大
=粉体の流動性が低い
粒度分布
1.レーザー回折・散乱法
粒径が細かい試料を純水と混合し、混合液を装置内に入れレーザーを照射し、そこから発せられる散乱光・回折の強度分布パターンから試料の粒径を算出します。
装置名 | レーザー回折式粒子径分布装置 SALD-2200 |
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測定範囲 | 0.03μm~700μm |
方式 | 湿式 |
波長 | 赤色半導体レーザー(680nm) |
2.ふるい分け法
目開きの分かったふるいに試料をのせて手動または振とう器によって全体を振動させ、目開きに応じた大きさの粒子群の質量より粒子径分布を求めます。
3.画像解析法
画像解析は、代表性が乏しいという欠点がある一方で、粒子一つ一つの観察が可能であり、円相当径や粒子直径といった粒子の大きさだけでなく粒子の形状を同時に観察することが可能です。
機械的強度
試料台に試料をのせ、一定の圧を加えた際に試料が圧壊した時の最大加圧重を読み試料の破壊硬度を算出します。
分散性・粘性
粉体の分散、凝集度等、総合的に評価することが可能です。
- ①安息角
- ②崩壊角
- ③差角(=安息角-崩壊角)
- ④ゆるみカサ密度
- ⑤固めカサ密度
- ⑥圧縮度(計算値)
- ⑦スパチュラ角
- ⑧凝集度(または均一度※)
- ⑨分散度
⇒これらの測定値を用いて、Carrの指数を求めることができます。
Carrの指数:粉体の物性を表す指数
- ・流動性指数(粉体の流れやすさ)
- ・噴流性指数(飛散の起こりやすさ)
※均一度:粒度分布測定器(ふるい分け法,レーザー回折・散乱法等)で粒度分布を測定し,計算により均一度を求めます。
表面化学特性
表面化学特性は炭素材料、半導体材料、触媒などの高機能化に影響する因子です。
当社ではプローブ分子などを用いた表面反応、吸着性、熱脱離挙動などを利用して、表面の化学的性質を評価します。
固体酸・塩基評価
固体試料の表面にプローブ分子(NH3やCO2)を吸着後、加熱して脱離するプローブ分子の量(酸点の量)と脱離温度(酸点の強度)を測定することで、固体表面の酸点の量を定量します。
酸化・還元特性評価
水素や酸素雰囲気下で、昇温しながら酸化・還元反応を評価します。
物質吸着特性評価
1.親水性、疎水性評価
多様なガス・有機蒸気の吸着等温線が測定できるため、極性分子(水、アルコールなど)や疎水性分子(ヘキサン、トルエンなど)の吸着等温線から親水性、疎水性を評価できます。
2.水素化学吸着量評価
水素の吸着脱着等温線を繰り返し測定することにより、材料と化学反応した水素量(水素吸蔵量)を定量することができます。
表面官能基量の測定
近年、カーボンナノチューブ、グラフェンなど炭素材料の性質を生かした機能性材料の開発が行われています。機能材料として設計する上で、表面官能基を導入することは重要です。当社は活性炭材料で構築してきた表面官能基の定量技術を機能性炭素材料へも応用展開しています。
1.Bohem滴定による酸性・塩基性官能基定量
酸性および塩基性水溶液に炭素を加えて、酸および塩基との反応量を逆滴定で定量する方法。塩基強度を変えることで、カルボキシル、フェノール、ラクトンなどの酸性官能基が定量できます。
2.TPD/MSを用いた表面官能基の定量
He等の不活性雰囲気下で加熱脱離するCO、CO2の脱離温度およびそのピーク面積より、表面官能基を定性・定量します。1500℃高温まで測定することでエッジ水素の定量も可能です。
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